相続人になれない人とは

前回述べた、法律で定められている相続人のことを、「法定相続人」といいます。

亡くなった人の配偶者や子ども・孫、また両親や祖父母などのことですね。

ではこれらの人たちは、法律で決められているのだから必ず相続人になれるかというと、そうではありません。

どういうことかというと、たとえ法定相続人であっても、「このような人に、亡くなった人の財産を相続させることは、法の趣旨に反するし、亡くなった人の意思にも反するであろう」と考えられるような場合には、相続人から除外するという規定が、これまた法律によって定められているのです。

具体的にどのような人が相続人になれないかを見ていきましょう。

ここで一つ言葉の説明を加えておきますと、死亡した人、すなわち相続される人のことを「被相続人」といいます。

この「被相続人」という言葉は、相続を考える中で頻繁に出てきますので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。

さて、話を戻して、法定相続人であっても相続人から除外される人の具体例を挙げます。

最もわかりやすいのは、被相続人を殺した人です。

たとえ被相続人の配偶者や子どもであっても、自ら被相続人を殺害したような人にその財産を相続させるわけにはいきません。

常識で考えてもそうですよね。

他にも、生前の被相続人を脅したり騙したりして、自分にとって有利なように遺言書を書かせたような人も、相続人から外されます。